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台風9号に追い回された山陰・北陸ツーリング 1997年夏


太字はお気に入りのポイント

 今夏のツーリング計画は、四国お遍路コースにするか、山陰方面にするか決めかねていたのですが、やはり四国八十八霊場参りは最後にしたほうがよいかと考え、山陰・北陸コースに決めた。実のところは、山地のアップダウンばかりで、道も狭い四国はしんどそうなので、後回にして本州周回を先に達成しておこうと考えたワケ。
 なるべく激暑の時期を避けるため、大学の夏季休業が始まる7月19日即に出発することにしてアプローチは去年の九州ツーリングでも使った東京〜北九州フェリーを利用する下関側スタートとする。
 出発日までは旅行の準備ができなかったので、7月19日は大忙しで昼まで大学の仕事をやって、帰りに食料買い出し、帰宅してから心配だったリアタイヤのチューブを新品に交換したりパッキングして、夕方5時にはルシーダに積み込みうちのオクさんに運転してもらってお台場東京フェリーターミナルにむけ出発。途中新宿のSRCに寄ってサイクルコンピュータを購入したり、とても大忙しの出発準備。
 18:30にはオーシャン東九フェリーのオーシャンサウスに乗船。全長250m、11,000屯の立派な新造船で、省力化のためかレストランはなく、各種そろった自動販売機で使える7回分のミールチケットがもらえる。なにか得したような気分だが、これを知らずに船内で食べる食事を何回分かもってきており消化するのが大変! 早速風呂に入っている間に出航。翌20日mぽ快晴で一番上のサンデッキで読書をしたり風呂&ビールなどゆったりと鋭気を養う。次の早朝5時に新門司ターミナルに着岸。下船してサイクルコンピュータ取り付けや装備の点検をして6時に門司市にむけペダルを踏み出す。

【7/21】7:30関門トンネル着。深さ60mまでエレベータで降り、長さ700mの地下道を渡りなんなく本州側下関へ。夕方には萩へ。松陰神社など訪ねる。今日は早めに鵜山岬の大井港でキャンプ。サイクルコンピュータの距離がおかしかったので補正計算をして初期値を再インプット。

【7/22】山口県のはずれの阿武町では、海岸沿いの旧道を走ったがひっそりとした海辺がとてもきれい。島根県に入り、益田を経由し浜田へ。美しいビーチと立派なキャンプ場がある石見海浜公園が気に入り泊まることにする。県営なので本当は予約しないといけないようだったが、夕方5時すぎで事務所も閉まっていたので何も断らずに設営させてもらった。

【7/23】ながめも設備も大変気に入ったので、一日泳いだり、海辺でのんびりして連泊。遊びにきていた若い人いわく、グレートバリアリーフ並みの美しさだそうだ。

【7/24】江津を経て、大田へ。たてつづけに2度パンク。出雲神社はさすがに荘厳かつ立派。道筋に島根ワイナリーがありワインをたっぷり試飲させてもらい、昼はそこのバーベキューハウスへ。酔っ払ったのと、暑さがすごかったのでしばらく昼寝。団体できていた人達に何回もどこまで自転車でいくのか聞かれた。穴道湖の北側のルートから松江へ。松江城も街並みもしっとりしていていいところだ。島根半島の東端の美保関町の総合運動公園の一角をかりてキャンプ。

【7/25】境水道大橋(通行料30円)を渡って境港市へ。ここから鳥取県になる。早朝のため開いていなかった夢みなと博覧会会場と井上靖記念館をまわり大山を眺めながら鳥取市へ。砂丘見物をしていたらきれいな松林の中に鳥取市サイクリングターミナルのキャンプ場があったのでテントを張らせてもらう。夜から雨模様なので家に電話してみたら、大型の台風9号が四国から鳥取を横切りそうだとのこと。

【7/26】やはり風雨が強くなってきたのでサイクリングターミナル事務所に掛け合ったら、宿舎で雨宿りしていいというので、一泊させてもらう。置いてあった鳥取砂丘や郷土の歴史、鳥取ことばなどの本を読んで一日すごす。この「砂丘の家」は主に学生・生徒のサークル活動などの合宿に使われているらしく食事はちょっと・・・一泊2食で4,800円なので文句は言えないよね・・・

【7/27】台風9号は日本海上で停滞していて雨が残っていたが浜坂町から香住へ。NHK朝の連続ドラマ「二人っ子」のロケがあったところ。よく映画などにでてくる山陰本線の余部橋梁が高くそびえている。なにかしら厳しい山陰の冬を連想させるシーンだ。城崎温泉をへて久美浜町へ。このあたりの海岸は、ひっそりしていて美しい。京都府にはいり丹後半島を横断して宮津市へ。なんということもない天橋立を見て、宮津の海岸の公園横にキャンプ。今日は峠もあって130Km走ったのでバテル。

【7/28】舞鶴の赤レンガ博物館をすぎるまで雨。スリップはこわいが、涼しいので助かる。ここまでが京都府なので、けっこう日本海側に長いものだ。福井県にはいり小浜市から敦賀へ。また雨になって、適当な野営場所がなかなかみつからなかったが、港の倉庫街の小さな公園を見つけて設営。遅くなって仙台から南下してきたツーリング中の学生がきて、脇にテントをはった。まあ、同好の士は、同じような場所に集まるもんですね。今回はハンドルをにぎる手のひらにマメができて痛かったり、きちんとハンドルバーを握れず危なくなってきたので応急でタオルを巻いた。そのサイクリング部の学生に聞いたら、ハンドルのクッションテープは1〜2年で交換しないとだめだそうだ。

【7/29】ガラガラの河野海岸有料道路(90円)を通って、いよいよ越前海岸ルートへ。とても走りやすい。越前岬の手前で、今はシーズンではない水仙ランドへ徒歩で登る。快調にとばし吉崎の本願寺別院に寄って加賀へ。8号線は避けたかったので、なるべく海岸側に沿った道をさがすが何度かミスコースあり。片山津の柴山潟の湖畔に気持ちのよい公園があったので野営。広い芝生の先に、大噴水が見え最高の眺め。夜になったら、なんと花火が湖上に打ち上げられ、テントに寝転びながら(当然、酒を飲みながら)見物できてしまった。

【7/30】小松、松任をぬけ金沢へ。通勤ラッシュがすごい。金沢は一昨年にもきたばかりなので、そのまま能登半島の付け根の横断にかかる。富山県にはいり小矢部でラーメンセットにビール。暑さ厳しく、日陰で3時間ばかり昼寝。高岡から新湊へでて海王丸パークへ。半分固定された?海王丸が停泊していてまわりが、野鳥公園などと一緒に整備されており広々とした気持ちのよいエリアになっていた。当然、ここでキャンプ。夜は海王丸がイルミネーションされて素晴らしい!

【7/31】富山市に寄り道して、仕事で関系あった北日本新聞社や富山城公園をまわる。滑川、魚津、黒部をへて朝日町へ。そこでたべた「たら汁定食」(1,100円)がうまかった。ここからは洞門とアップダウンが連続して気がぬけない親不知ロード。洞門トンネルの登りの道で、バスやトラックに追いつかれると、必死で追い越させる場所まで走らなければならず、とてもしんどかった! 糸魚川で泊まってもよかったのだが、まっとうな海岸もなくそのままパス。糸魚川の先からは、なんと直江津まで35Kmもあるサイクリングロードに出くわした。久比岐自転車歩行者道路というのだが、当然歩いている人はおらず、自転車専用に近く、これだけの距離のものは初めてだ。8号線の改築で利用されなくなった旧道区間をちょっとづつ繋いだものらしいが、よく整備したものだ。建設省のどこの土木事務所かしらないが、表彰ものですよ。途中、5個所ぐらい7-800mのトンネルがあったが、霧が立ちこむほど気温が冷えていて、真夏の外から中に入るとくらくらする程気持ち良かった。上越市・・直江津といったほうがピンとくるのにね・・の船見公園という海岸の段々になっている防波堤そばでキャンプ。今日は140Kmのランで多分、今ツーリングで最長でしょう。

【8/1】柿崎を通り、柏崎へ。原発のおかげか、このあたりは公園、公共施設が立派。もうゴールなのでゆっくり走って、西山町の宮川という集落の海岸に最後のキャンプ。誰もいない海に浸かって波に体をゆらしたり、防波堤で甲羅ぼしをしたり夏のツーリングの有終の美を飾った。

【8/2】西山ふるさと公苑西遊園によって昼、北陸自動車道西山インターチェンジで家の車に拾ってもらって無事「山陰・北陸ツーリング」完了。

日程:13日間、実走行11日間、(キャンプ11泊、宿舎1泊)
距離:1,150Km 100Km/日 パンク3回
費用:36,000円(往路フェリー代含む)


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First Drafted 12/07/1997
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