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Burke, Jan /ジャン・バーク

汚れた翼白いシェヴィーのヴァンFLIGHT, (C)2001渋谷比佐子訳 講談社 2005

『「ヘイクロフトが空港からどこへ向かったのか、それについてはまだ何も?」
「まだだ。彼が今朝乗っていたヴァンのナンバーはわかってる ― 自動車局に登録してある車を使ったんだ。空港の駐車場にはモニターがあって、車が入ってくるとナンバープレートを撮影するようになっている。日付や時刻も記録されるから、一週間も停めておいて、一日しか停めてないとか、飛行機のチケットをなくしたとか言い訳はできない。ヴィンスが今朝、ヴィデオがとらえた車を調べて、ヘイクロフトが空港で目撃された時間帯に撮影された、旧型の白いシェヴィーのヴァンを見つけた。こいつは間違いなくヘイクロフトの車だ」
「それがわかったのはラッキーじゃないか。うまくすると、本人はまだ車を乗り換えることまでは考えていないかもしれない」』

--COMMENT--
 てっきりジェイムズ・リー・バークの別名か??と思って手にしたら、ぜんぜん違う作家でした。今回は、ラス・ピエルナス警察殺人課のフランク・ハリマン刑事が主人公だが、本来は、彼の妻、新聞記者アイリーン・ケリーが主役のシリーズもの、第8作目になるとのこと。  十年前の殺人事件で失踪した刑事が山中に墜落したセスナから発見されて、フランクが再調査に乗り出す…。なかなか大きな構想だし、凝ったデテールとシナリオに加えて、最後までサスペンスのピークが継続してとても面白かったし感心もした。これまでの作品を遡ってみたい。
 登場する車は、ハリマンのボルボ、アイリーンのジープ・チェロキー、…とくると定番だが恰好のいい主役のイメージたっぷり!!。ほかに、地元実業家のいけすかない妻の"黄金色のレクサス"など。
 翻訳も概して読みやすくはなっているけど、まるで違っているんじゃない?というパラグラフもある。例えば、『…マッキントッシュのパソコンが、スクリーンセーバーや教科書が山と積まれたデスクの上に置いてある…下巻37ページ』は、言わずもがなですが、パソコン画面のデスクトップにスクリーンセーバーやテキストがいっぱい表示されている、でしょうね。訳者も編集・監修者もパソコンは欠かせないものと思うけどね。(2006.1.4 #392)


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