グリーン・ティーは裏切らない | ジープ・チェロキー | GUNPOWDER GREEN (C)2002 | 東野さやか訳 ランダムハウス 2006 |
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『ダージリンは死を招く』につづく<お茶と探偵>シリーズ第2弾。チャールストンでティーショップをいとなむセオドシアが、ヨットレースのゴールのときにおきた号砲暴発事件を追う。ジョアン・フルークのクッキー屋ハンナ・シリーズとばっちり同じ趣向で、物語に登場する飲み物・お菓子のレシピがたくさん紹介されているところまでそっくり。
お店のスタッフたちが魅力的だったし、アメリカ南部の人々の暮らしぶりなどがいきいきと描かれいる。ただし、主人公セオドシアの年頃がイメージしにくい。表紙のカットではごく若いお嬢さんだし、本文中のレシピ・ページには、いかにも人の良さげなおばあちゃんとして描かれていた。物語上では、PR会社のOLをやめて、若い弁護士の彼氏がいるのだから年のころは30前後の設定のようで、表紙もレシピのカットもまったくちぐはぐ。出版の編集担当とか挿絵画家さんは本文を読んでいなさそう。
苦言続きですが、訳出も全般にいまいち。引用第一パラグラフの「…アール・グレイ(愛犬です)の探究心旺盛な鼻先においしいにおいを運んできた…」の《おいしい匂》とは何なのかねぇ?? 生暖かな風とまったく繋がらないよね。
引用にでてくるティー・ブレンダーのドレイトンの車はボルボと順当だが、チェロキーは、ティーショップの女性オーナーらしからぬ設定だこと。(2006.8.30 #431)
ほかほかパンプキンとあぶない読書会 | フォード・トーラス | BEDEVIED EGGS (C)2010 | 東野さやか訳 ランダムハウス 2011 |
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-- COMMENT --
<卵料理のカフェ、カックルベリー・クラブ>シリーズの第3弾は、ハロウィーン間近に開いたリーディング・デートの会の参加者がクロスボウで殺される事件がおき店主のスザンヌが捜査に協力する。引用にでてくるスザンヌの車は店の前で放火されてしまうが、犯人についてはとくに話題になることもない(必然性もなく)、またエンディング間近に真犯人が突如出現するなど、ミステリ部分はかなりおまけ的扱いだ。お店をきりまわすスザンヌ、トニ、ペトラの賑やかで心和ます会話や、メニューなどは楽しく読める。
(2012.2.15 #725)