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Creed, John /ジョン・クリード

ブラック・ドッグランドクルーザーBLACK CAT BLACK DOG (C)2006鎌田三平訳 新潮 2007

『海岸に向かいながら、どうしてサーシャは、この種のことを処理するのにわたしが最適だと決め付けたのだろうかと考えた。おそらく、自分で思っている以上に、こちらの職業を悟られていたのかもしれない。海岸へ向かってボートを漕ぐうちに日は落ちて、ボートの航跡が発光プラントできらきら光った。冷たい風が入り江をふきわたり、わたしは上着をかき寄せた。
 ウォレンポイントまでは10マイルだった。わたしたちは、サーシャの年季のはいったランドクルーザーに乗り込んだ。車は傷ひとつなかったが、走行距離は20万マイルにも及んでいた。サーシャがカーステレオにヤン・ガルバレクを入れると、音楽がわたしたちを包み込み、くたびれた四輪駆動車は走る大聖堂に変った。』

-- COMMENT --
 初めて読む元英国秘密情報部員ジャック・ヴァレンタイン・シリーズ第3作。50年前に原因不明で沈没した乗組員の認識票が漂着しその審問に立ち会うことになったジャックが謀略戦に巻き込まれる。元IRA闘士、元ロシア特殊部隊隊員(引用中のサーシャ)、CIAなど入り乱れての策謀につぐ策謀にまみれての大立ち回り。昔のジャック・ヒギンズを思わせますね(懐かしい!!)…アイルランド出身の作家は何故か類似点が多い。
 国防省の代理人のメルセデス、ジャックの元恋人のアルファロメオGTA、ジャックが途中で入手するスバル・インプレッサ、作戦から脱出するときに使う"真っ黒いディーゼル排煙を噴き出すダットサン・トラック"などがでてくる。(2008.5.14 #545)


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