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Crombie, Deborah /デボラ・クロンビー

警視の予感フォードのエスコートA FINER END (C)2001西田佳子訳 講談 2001

『カムデン・タウンの道路は車が少なかった。9月にしては夜も気温が高く、新しい車の窓を開けたまま走ることができた。車はフォードのエスコート。野性の蘭"Wild Orchid"という名前の色を選んだ。野性の蘭なんてどこに行けば見られるのかわからないが、ロマンティックな名前だ。必要にかられていたこともあるが、昇進のご褒美としてこの車を自分にプレゼントした。給料が上がるので無理な買物ではない。しかし、これは金銭の問題ではない。やり遂げた、という思いを形に残しておきたかったのだ。キンケイドにはまだみせていない。だからこの車は、彼の自宅を訪ねる口実にもなってくれる。
 ハムステッドまできた。派手好きな金持ち連中が町を占拠している。通りを練り歩いたり、歩道に面したカフェに座ったりして他人を眺めて楽しむだけでなく、眺められることも楽しんでいる。みな、一瞬たりとも携帯電話を離そうとしない。小さな機械が耳に貼り付いてしまったかのようだ。  カーリンフォド・ロードに入ると、キンケイドの自宅の前に古いMGミジェットが停めてあるのがみえた。防水シートがかかっている。しかし彼が家にいるとは限らない。』
-- COMMENT --
 以前から気になっていて初めて読んだ、デボラ・クロンビーのキンケイド警視シリーズ(現在9点刊行)。偶然に7作目となる本書を選んだが、これがアーサー王伝説の聖地を舞台に1000年前の修道士からのメッセージが伝えられてきたことにあわせて事件が起きる。なんと読んだばかりの『ダ・ヴィンチ・コード』と似た題材の作品を続けて読むなんてとても不思議である。一癖ある聖杯伝説の研究家がいたり、古代ケルト宗教儀式が引用されていたり、その修道士の恋人の子の名前がサラ(『ダ…』では、マグダラのマリアの子がサラ)など似通ったプロットが散見される。『ダ…』原作は2003年なので、ダン・ブラウンは、アイディア盗用か争われた『レンヌ=ル=シャトーの謎』も含めて本書からも影響を受けたのだろう。本書自体には、聖地グラストンベリの情景のやそれぞれ魅力ある登場人物、サスペンスの盛り込みなどとても気に入りました。
 書き抜きは、試験を受けて警部補に昇進したジェマが新車のフィアットでキンケイドを訪ねるシーン。ジェマは後段でも、キンケイドのミジェットを"ぽんこつ…"とくさしている。オートライティングのメッセージを受けるジャックの"青いヴォルボ"、地元法医学者の"年代物のモーリス・マイナー"、高校教師の"シルバーのフォルクワーゲン"、事件担当警部補の"白のヴォクソール"などが登場する。(2008.7.10 #554)

警視の休暇MGミジェットA Share in Death (C)1993西田佳子訳 講談 1994

『「ウェイトレスがぼくらを掃きだしちまいたいって顔をしている。そろそろ出ようか?」
それぞれの車でフォローディル・ハウスの前庭まで戻ってくると、二人はふたたび顔をあわせた。ハンナの新車のシトロエンとキンケイドの古びたMGミジェットの間に並んで挟まれた格好になった。気まずい空気が流れる。二台の車を比較するうち、キンケイドは古き良き友に詫びを入れたい気分になった。
「けっこう気に入っててね」大げさなぐらいほめてやる。「歳をとればとるほど美人になるんだ」
 ハンナは笑い、二人の間に漂っていたいささかぎこちない雰囲気が消えた。「車の場合、美の基準は持ち主しだいなのよね」
 9月にしては暖かく霧の濃い夜だった。空気にはかぐわしささえ感じられる。キンケイドはふと、このまま彼女と別れるのが惜しくなった。』
-- COMMENT --
 キンケイド警視シリーズの第一作は、遅めの夏休みをとりにでかけたヨークシャー北部の会員制ホテルでおきた殺人事件に遭遇する。ロンドン警視庁の本業以外の場所における巻き込まれ型(いわば時間外ボランティア捜査)のスタイルは、この第一作からすでに始まっていた。書評にもあったが、まさにアガサ・クリスティ作品のテースト。
 書き抜きは、キンケイドが愛車ミジェットを弁護するシーン。並んでパークしたときに、シトロエンとミジェットの運転席ドアが向かい合って(シトロエンが左ハンドルなのだろう)いたので、二人が両方の車に挟まれるよに降り立った情景。映画のシーンのようだ。また、この車は"電話ボックスのような赤い色のミジェットが明るい陽光を反射していた…"と別章で書かれている。  キンケイドの部下のジェマは、本作からフォード・エスコートに乗っている。地元警察の警部補の"キズだらけのオースティン"なども登場する。(2008.7.22 #555)

警視の秘密MGミジェットLeave the Grave Green (C)1995西田佳子訳 講談 1996

『二人は別々の車でロンドンにもどり、打合せどおりにキンケイドのマンションの前で落ち合った。霧雨がふたりのあとを追うように降り続いていたので、キンケイドはミジェットに防水カバーをかけてからロックし、ジェマの車に乗り込んだ。
「ジェマ、タイヤをどうにかしないとまずいぞ。右のがとくに、おじいちゃんの頭みたいにつるつるになってる」前からいっていることだった。しかし、ジェマが話に乗ってこないので、彼はため息をついて話題を変えた。「車からLBハウスに電話をかけた。トミー・ゴドウィンは今日来ていないそうだ。具合が悪いらしい。自宅のマンションはハイゲイトだといっていたね?」
 ジェマは頷いた。「手帳に住所を書いてあります。このすぐ近くだと思いますよ」得体の知れない不安が頭の中に広がっていくのを感じながら、ジェマは車を走らせた。目的の建物が見つかったときはほっとする思いだった。環状になった車寄せにエスコートを停めて、勢いよく外に出る。そわそわと足を踏みかえながら、キンケイドが助手席のドアをロックして入口にやってくるのを待った。』
-- COMMENT --
 キンケイド警視シリーズの第三作は、バッキンガムシャー州ハイウィカム(ロンドンの西、テムズバレー地方)の名門の家族…父親がオーケストラ指揮者、母親がオペラ歌手、娘が画家…その娘の夫が水死した事件をキンケイドとジェマが追う。毎作ながら、米国人の作者がここまで詳しくイギリス人の暮らしぶりを表現できるものかと感心してしまう。
 書き抜き以外にも、この二人が同乗するシーンがあって、親密さを深めてくるものの美人に弱いキンケイドに嫉妬するジェマの心の動きが書き込まれている。こんなところが、やはり女性作家らしいタッチだ。文中のトミーの車は、赤くて古い型のジャガー。それと、よくパブに入ってブラクスピアなど(オックスフォードシャー州のビール、トリプルはアルコール度7.2と高い)などラガーとかビターをおいしそうに飲むシーンも多く英国へ行ってみたくなりますね。(2008.8.9 #559)

警視の不信ローバーAnd Justice There Is None (C)2002西田佳子訳 講談 2005

『キンケイドは、月曜朝の渋滞のピークが過ぎるのを待って、スコットランドヤードの駐車場を出発した。ヤードから借り出したローバーのハンドルをダグ・カリンが握り、北へ向かう。キンケイドは助手席に座り、人や車が行きかうロンドンの朝の景色をゆうたり楽しむことにした。今日は朝から日が射したり翳ったりしている。ようやくやんだ雨も、そのうちまた降り出すかもしれない。  ヘンドンの南でM1号線に入った。まもなく、大聖堂を中心に広がるセント・オールバンズの町が近づいてきた。「ダグ、家族がセント・オールバンズに住んでいるじゃなかったか? いいとこみたいだな」
「いわゆる近郊都市ってやつで」カリンは顔をしかめた。「ブリッジ大会やらディナーサークルやら―四十歳未満の人間が遊ぶ場所なんかありゃしない。うちの両親の気が知れませんよ。あの街に住むことを決めたこともそうですけど、それが大正解だったと思っているのが信じられない」
「まだ反抗期が終わってないのか?」
カリンはキンケイドの顔に目をやった。本気で言われたのか、からかわれたのか、確かめたかった。「たいていの人は、両親のライフスタイルをみてそういうふうに感じるもんじゃないんですかね…」』
-- COMMENT --
 キンケイド警視シリーズの第八作は、ハイドパークから北西にちょといったアンティーク屋台街で有名なノティング・ヒルでおきた殺人事件をジェマとキンケイドが捜査する。犯人と疑われておかしくないような人物がごろごろいて捜査はなかなか進まないが、二人の武器である聞き込みにつぐ聞き込みからヒントが!! シリーズをここまで読んできて分かったことは、この執拗なまでの「聞き込み」がストーリーの核となっていること、とくに近作ではキンケイドより警部補ジェマが主役であること、幼児のころの極端な悲境や恵まれない家族関係が業となって犯行に及ぶというシナリオが多いことなど。私見ですが『警視の○○』という邦題は、○○がほとんどストーリーとは関係ないことからどうもぴんときませんね。
 抜き書きのローバーは、ヤードの捜査車両としては定番そうです。アンティークショップ業者の夫妻用の黒の2台のメルセデス、獣医師の家のメルセデスとヴォクソール・アストラなどが登場する。(2008.8.15 #560)

警視の週末赤のホンダNow May You Weep (C)2003西田佳子訳 講談 2007

『列車がアヴィモア駅に着いた。人形の家のようにかわいらしい駅舎だった。色といい装飾といい、まるでドイツの童話の世界だ。ジェマが驚いてきょろきょろしていると、ヘイゼルが笑い声をあげた。「こんな建物、アヴィモアではここだけよ」
 頭上の網棚から荷物をおろす。「駅がこんなだと、旅行者にすごく期待させちゃうわよね。でも、アヴィモアの売りはあくまでもスキーとハイキングだから、ほかに見どころなんてないの」
 車は手配済みだった。駅のレンタカーオフィスでキーを受け取りパーキングへ向かった。町の目抜き通りの両側には、登山用品店やレストラン、大型ショッピングセンターなどが並んでいる。東のほうに目をやると、駅のすぐ後ろはもう山だ。霧にかすんだ山々の峰が日差しを受けて金色に輝いている。「目的地はあの山のほう?」ジェマは山を指差してきくと、荷物を車のトランクにいれた。駐車場で待っていてくれたのは赤のホンダだった。
「B&Bはスペイ川沿いの谷にあるの。でも、あの山ならどこからでも見えるわ」その言葉を聞いてジェマは思った。ヘイゼルはなにか焦っているというか、上の空ような感じがする。いったいどうしたんだろう。』
-- COMMENT --
 キンケイド警視シリーズの第9作は、スコッチウィスキーの本場ハイランドに親友ヘイゼルと出掛けたジェマが、宿泊したB&Bでおきた殺人事件に巻き込まれる。前作と同じく(1)ジェマが主人公、(2)被疑者がたくさんいる、(3)最後の最後にジェマの機転と危機一髪の救助で意外な真犯人が明らかになる…パターン。ウィスキーの味わいやディスティラリーにまつわる話題がたくさんあって楽しめる。
 抜き書きは、ジェマとヘイゼルがスペイサイドに到着する冒頭のシーン。赤のホンダ…アコードぐらいがぴったりですね。ほかに、蒸留所オーナーのランドローバー、キンケイドのミジェット(これも車体色は赤、クロンビーは赤が好き?)、フランス人実業家の新型BMW、ヘイゼルの夫のプジョー、蒸留所女性支配人のアウディなどが登場する。(2008.9.2 #563)

警視の愛人ヴォクソールMourn Not Your Dead (C)1996西田佳子訳 講談 1997

『道路が急に下り坂になって、デヴェニーはギアをシフトダンした。狭くなった道路の両側には、絵葉書にあるようなコテージが並んでいる。「ホームべリ・セントメアリにはまだ開発の触手が及んでいません、<イングランドで一番美しい村>の名を競っているぐらいで。これがティリンボーン川ですよ」澄んだ流れを渡りながらいう。「絵はがきの素材としてはスター的存在です」
「本当にきれいな川だ」キンケイドがいうと、デヴェニーは路肩にうまく車を寄せた。かなりけばけばしいティーショップがあるものの、そのほかのものすべて景色になじんでいる。
「ええ、しかしいずれはここも俗っぽくなるんでしょう」
「現実をみる目が厳しいね」キンケイドはデヴェニーに続いて車から降り、冷えてかじかんだつま先を動かした。ヴォクソールの暖房にはむらがあるようだ。』
-- COMMENT --
 キンケイド警視シリーズの第4作は、ロンドンから南西部の小さな村の警視長が殺され、キンケイドとジェマが捜査の支援に向かう。登場人物それぞれの個性がよく描かれてるし、変化のあるプロット、適度な緊迫感など、きちっとよく出来たミステリ。引用のところにでてくるような、村の風景、情景が目に浮かぶようだし、ただ当方の好みとしては、キンケイドとジェマの恋愛関係とかズレなどは余分のような感じがしてならない…また邦訳タイトルも気に入らないなぁ。
 抜き書きは、村の警察の警部デヴェニーの"かなり傷んだヴォクソール"に乗って聞き込みにまわるシーン。あまりにオンボロなので、後段ではスコットランドヤードから提供してもらうローヴァーに代わる。ほかに、女性医師のミニ、アロマテラピー・マッサージ店主の"颯爽とした赤のヴォクソール"など。(2008.9.12 #565)

警視の接吻MGミジェットKissed a Sad Goodbye (C)1999西田佳子訳 講談 2001

『キンケイドは、ピクニックで食べるようなものを次々とバスケットに詰め込んでいった。男の子が好きそうな食べ物を集めておいた。分厚いハムのサンドイッチ、ポテトチップス、コーラ。メインのごちそうは、ヒース・ストリートのベーカリーで買ってきた特大サイズのチョコレートケーキ。それをミジェットのトランクに入れると、幌をたたんでオープンカーにした。感謝をこめて、カーリンフォド・ロードの上に広がる青く澄み渡った空をみあげた。
 6月の前半は大雨続きで、ウィンブルドンの決勝戦の頃に天気がよくなるという見込みは薄かった。しかし、チケットの手配を途中で諦めたりはしなかった。そしてセンターコートのチケットを2枚とることができた。その努力を天気の神様が認めてくれたのだろう。
 無言の感謝を天にささげてから、車に乗り込んだ。ミジェットのエンジンもすぐかかってくれた。ギアを入れて走り出したとき、ふと罪悪感がよぎった。新しい車に乗り換えようと思った時期があった。何年ものあいだ忠実に働いてくれた車を、古くなったからといってあっさり捨ててしまうのは情けがなさすぎる。』
-- COMMENT --
 キンケイド警視シリーズの第6作は、イーストエンドのアイル・オブ・ドッグズでおきた殺人事件にキンケイドとジェマが捜査協力を求められる。遺体として発見された紅茶ブレンド会社の女性経営者をめぐって、いつものとおりなかなか決め手にはならない稠密な訊きこみをつづける二人…、最後の数ページでバタバタと犯人が割り出される…と、いつものパターンは多少食傷気味になってはきたものの、きめ細かな登場人物の立ち居振る舞い、土地の風情・習慣など毎作ながら、ディテール描写には圧倒される。ローカル・ミステリの極致とも言えそう。
 抜き書き部分は、キンケイドが先妻の子とテニス・トーナメント(全英オープンのようだ)にでかけるところ。ミジェットへの傾倒ぶりがほほえましい。
 ほかに、いつものジェマのぽんこつエスコートやスコットランドヤードのローバー(サンドイッチを食べながらマニュアル車運転に苦労するシーンがあり、まさにディテールの真骨頂)などがでてくる。(2008.10.16 #568)

警視の孤独MGミジェットIn A Dark House (C)2004西田佳子訳 講談 2010

『アフォド・ストリートの家はすぐ見つかった。古いMGミジェットをジェマの紫色のフォードの後ろにとめる。小さな証拠品収集キットを取り出して、愛車をぽんと優しくたたいた。もうまもなく、こいつとおさらばしないといけなくなるだろう。この小型車のコンディションがよくないのは明らかで、それはカリンがこのクルマに乗るよりも、自分のおんぼろアストラにキンケイドを乗せたがることからもわかる。それに、この小さなスポーツカーは家族持ちが乗るにはまったくふさわしくないし、なにかと手間がかかる。
 多少の手入れなら喜んでやるが、多少どころではない労力が必要なのだ。しかしキンケイドは、自分がSUVを乗り回す連中の仲間入りをするとは、まだ考えたくなかった。』
-- COMMENT --
 キンケイド警視シリーズの第10作は、古い館の火災現場から女性の遺体がみつかったところから始まる。ページの半分過ぎてもその身元が判明しないというやっかいな事件をキンケイド、ジェマ、そして地元警察の女性刑事と女性消防員が追う。可能性のある失踪者が4名もいたり、連続放火魔、親権問題などをからめた重厚なミステリ…私には重厚すぎるが(^^;
 キンケイドのミジェットは第一作からずっと続いているが、そろそろお役ごめんになりそう。ほかに、外科医の"ダークグリーンのボルボ"、女性消防員の赤いミニなどが登場する。(2010.4.7 #628)

警視の覚悟ワーゲン・ジェッタWater Like a Stone (C)2006西田佳子訳 講談 2010

『「アクセスは?」バブコックは乱暴な口調できいた。
「巡査の話だと、バーブリッジからまわっていくしかないみたいです。いまナントウィッチの近くを走っているので、よかったら迎えに行こうかと――」
「いや、いい。自分の車で行く」バブコックは以前ラーキンの車に乗せてもらったとき、今後なにがあっても二度と彼女の車に乗るまいと心に決めたのだった。ラーキンは、ルマンのカーレースで新記録を出そうとでもいうように、愛車のワーゲン・ジェッタを猛スピードでぶっとばす。同じ速度違反をするなら、自分のBMWでやったほうがいい。』
-- COMMENT --
 キンケイド警視シリーズ11作は、ダンカンとジェマが息子たち二人をつれて、彼の実家のあるチェシャーで過ごそうとでかけたクリスマス休暇のさなか、乳児の古い遺体が発見され、またナロウボートで生活していた女性が謀殺される事件がおきる。本作では、運河を平底船で回るボートピープルの暮らしぶり、歴史、ボートの詳しい構造やデザイン、水位を変えながらの運航方法などが詳しく紹介されていて、興味深い。
 引用は、地元警察の警部と元気のいいぶっ飛び女性捜査官のやりとり。警部自身もマイカーBMW320を飛ばすのが好きだが、彼女にはかなわないようだ。他に、一家四人で里帰りするとき使うジェマのフォード・エスコート、女性鑑識医の"年季の入ったモスグリーンのモリスマイナー"…いつも老犬アイリッシュ・ウルフハンドが後席にいる、ダンカンの父親の古いヴォクソール・ワゴン、投資コンサルタントのランドローヴァーなど。
 運河生活の聖典となっているL.T.C.ロルト『ナロウボート(Narrowboat)』や、紀行作家ポール・ゴーガティ『The Water Road』が本文中に紹介されていて、クロンビーもこれらの資料をとっくりスタディしたのであろう。(2011.2.14 #675)


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