笑うカモには | ランドローヴァー | ONLY WHEN I LARF , (c) 1967 | 早川 、 1980 |
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スパイ、戦争小説を得意とするデイトンには珍しく、華麗な詐欺師のコン・ゲームものとなっているが、デイトンらしさが十分におりこまれており、楽しい.
仲間3人が最後の賭にでるためベイルートで活動するための車が順当にランドローヴァーであり、いろいろ荒野のための仕立てをするが、それが意外な結末への伏線になっており、車がストーリー展開の重要な役を担っている.(94/01)
優雅な死に場所 | Eタイプ・ジャガー | AN EXPENSIVE PLACE TO DIE , (c) 1967 | 早川書房 、1980 |
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英国情報部からパリに派遣された“わたし”と得体の知れない美人スパイのマリアの出合における会話。
Eタイプジャガーを乗りまわす女とくれば、かなり複雑な背景をもったキャラクターであろうことが伺いしれるが、小説の展開もレン・デイトン得意の濃密なスパイ戦となっており、疲れの出ている読者はとても読み切れないほど。
続々と出てくる車名もそうそうたるものだが、今一息ストーリーとの噛み合いが悪く物足りなさが残る。
この話はどこかで聞いたことがあるなーと思っていたら、1936年に英国政界を騒がせたキーラー事件を題材にしているとのこと。(91/02)
ベルリン・ゲーム | ベントレー、他 | BERLIN GAME , (c) 1983 | 光文社 、1984 |
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デイトン得意とするイギリス秘密情報局局員バーナード・サムソンをめぐる濃厚なスパイストーリー。
諜報員の日々の生活、苦悩を生々しく描写するデイトンの筆力には感心しますし、車もふんだんにでてくる。
サムソンの妻の妹ととの会話で日本の自動車メーカーの日本へのディーラーツアーが皮肉気味に語られたりする。(91/12)
スパイ ライン | スバル | SPY LINE, (c) 1989 | 光文社、1990 |
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イギリス秘密情報局員のバーナード・サムソンをめぐって謀略と混沌のスパイ合戦が繰り広げられる。
4WDスバルが登場するのは、たいへんめずらしいが、切手のオークションにあらわれる切手売買エージェントの”男爵”のクルマとしては、うなずかせるものがある。(90/11)
マミスタ | ランドクルーザー、他 | MAMISTA, (c) 1991 | 早川 、1992 |
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東西冷戦をバックにした複雑、混沌とした本格スパイものの旗手であったデイトンが、ベルリンの壁崩壊後の時代に新境地を問う作品.南米のジャングルでゲリラグループと苦しい逃避行をするという冒険小説の基本に近づいてきたように思えます.
相変わらず車は上記のようにたくさんでてきますが、他にゲリラの首領が、壊れてばかりいる古いダッジを何とか修理しながら、手ばなさいで使っているこだわりのシーンがある.
恋愛小説の側面もデイトンとしては異色であるが、何にも残らない壮絶とも言える結末には驚かされます.(93/09)