ダンカーニー探偵事務所 | 50ー60年代米国車 | THE MAYFIELD CASE AND 10 OTHER STORIES, (c) | 新潮,1990 |
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ジョーゴアスお得意のサンフランシスコを舞台とする短編探偵もの11編各々が、自動車ローンの未納、滞納者、盗難車の追跡調査と回収に繰り広げられる生き生きとしたDKA(ダニエル カーニー アソシエイツ社)のスタッフの人間味が良く伝えられる作品。
当然、物語毎に設定されたクルマたちが登場し、作者の思い入れが良く伝わってくる。黄色いダットサン280Zなども出て来る。(91/03)
狙撃の理由 | トヨタ4WD | Wolf Time (c)1989 | 新潮,1990 |
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ミネソタの森に隠遁する元土木技師のフレッチャーが何者かに狙撃される。アメリカの大統領候補選を舞台に、ただ一人森をでて、見えぬ敵を追いつめていく時選んだ車がトヨタの4WDであった。
子供の頃から、インディアンのチャーリーから森の生活とハンティングを教えられてきたフレッチャーが選んだ車がランドクルーザーとなった。(90/10)
路上の事件 | 1942年型フォード | CASES (C)1999 | 坂本憲一訳 扶桑 2007 |
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ゴアズ自身の若かりし頃の体験をもとにしたロード・ノヴェルと言われていて、前半は各地を流転しながら様々な人との出会い事件に巻きこまれる。ボクサーの介添え役をやるラスヴェガスの部分がハイライトだ。後半はサンフランシスコに移って私立探偵事務所に勤め、目覚しい活躍をする一方で、恋人を失う。
引用に出てくる42年型フォードは、持ち主のボクサーから主人公ダンクに譲られる。ヒッチハイクしながら大陸漂流をするため乗せてもらう車がたくさん登場する…"霊柩車ほどにも車体の長い白いキャディラック・コンヴァーチブル"、"エルヘッド型8気筒エンジン搭載のかなりくたびれた49年型マーキュリー"、"パロアルト出身の男の赤いMG"、"汚れた黒の39年型シヴォレー"。
他に"黒く長細い51年型リンカーン"、探偵事務所長の"淡青色の51年型プリマス"、"53年型マーキュリー・モンテレー"、"青と白に塗り分けられた52年型クライスラー"、"49年型の茶色のデソト・クラブクーペ"…と出てくるほとんどの車は製造年が表記されているのには驚き。車好きの多い米国人でも、そんなに車種型式の見分けのつく人がたくさんいるとは思えないのだが。(2007.10.27 #518)
32台のキャディラック | キャディラック | 32 CADILLACS (C)1992 | 木村仁良訳 ベネッセ 1998 |
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タイトルからして読みたかったダン・カーニー探偵事務所シリーズ長編第4作をようやく手にする。忽然と盗まれた32台のキャディラックをDKA所員たちがすったもんだの駆け引きをしながら回収する訳だが、主役が判然としなかったりでかなり読み飛ばし。そのせいか、なぜ32台なのか最後までよく分かりませんでした m(__)m
車についてはタイトルどおりやたら沢山登場する。2回分のローン返済が滞っている1991年型コンチネンタル、同じく支払い滞納の"8万3千ドルのメルセデス500SLスポーツ・コンヴァーティブル"、DKA女性所員の"黄色いニッサン280Z"、フリートウッド・クーペ、ジプシー占い師のカモになるヤッピーのアルファロメオ・スパイダー、レクサスLS400とトヨタ4ランナー、自動車狂の74年型プリマス・ロードランナーなどなど。サギにあったキャディラックの内訳─エルドラード、フリートウッド、アランテ、セヴィル、ブロアム、ドヴィル、リムジン…がわざわざ目次ページにリストされているほど。恐れ入りました。(2007.11.1 #519)
硝子の暗殺者 | トヨタ・フォーランナー | GLASS TIGER (C)2006 | 坂本憲一訳 扶桑 2011 |
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ゴアズのクライム&アドヴェンチャーものとしての遺作、『狙撃の理由』と似ておりともに森林・原野での活動を得意とする元スナイパーと元CIAの暗殺者ソーンとの闘い。まぁよくあるプロフェッショナル同士の壮絶だけど常套的なディテールだけで新鮮味は薄く、実は途中で読むのをギブアップしました。
著者は本年2011年1月に逝去。(2011.10.30 #715)