HOCKENSMITH, STEVE ／スティーヴ・ホッケンスミス

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荒野のホームズ、西へ行く		ON THE WRONG TRACK (c)2007	日暮雅通 訳 早川 2009

『鉄道にいい感情を持ってなかいおれも、この汽車ってやつには称賛の目を向けないわけにはにはいかなかった。
　濃い緑色の車体は赤で縁取られ、その上には金箔が施されている。そのすべてがあまりにぴかぴかに磨き上げられているせいで、排障器の上に取り付けられている巨大な前照灯なんか不要に思われた。もちろんエンジンもすっかり磨き上げられているから、これなら月夜には、夜空で一番明るく光る星より燦然と輝くに違いない。
　機関車のうしろにはやはり同じくらいの華麗な炭水車があり、その後ろにはキャベツがつまった木箱みたいにまばゆいウェルズ・ファーゴー（アメリカの西部開拓時代の駅馬車による急送便会社）の急行貨物用貨車と荷物車が続いている。そのまた後ろには三台のプルマン車両、食堂車、そして最後尾に展望車両があるが、すべてが緑、赤、ゴールドで仕上げられていて、まだペンキ塗れているかのようだ。』
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シャーロック・ホームズに憧れる兄と語り部となる弟のシリーズ2作目。仕事にあぶれたカウボーイ兄弟が、ひょんな機会からサザン・パシフィックの鉄道保安官に雇われサンフランシスコに向かう。ホームズのパロディ、ウエスタン小説、謎解きミステリがユーモアたっぷりに加えて楽しめる。
　もちろんクルマは登場しないが、優美なサザン・パシフィックについてのさわりを引用してみた。（2011.5.19 #688）

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