HYER, RICHARD /リチャード・ハイヤー
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サイゴン・カフェの爆風 | 日本製オートバイ | RICEBURNER, (c)1986 | 二見書房,1988 |
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『葬式のようなアッシュランド通りの静けさがオートバイの爆音によって再び破られた。
デインが振り向いたときにはすでに、マシンがドゥワーキン側の窓のすぐそばに止まっていた。
オートバイは5、6年乗り回した2気筒4ストロークの日本製で、サンフランシスコの中国系ストリートギャング達に最も人気がある奴だ。
高速道路での走行が認められる十分な大きさであり、かつ路地裏に隠れるにも手ごろな大きさである。正に実用車だ。
燃料タンクはズボンと同じ青色で、できるだけ正体不明にするためネームプレートははずされている。そこには小さな写し絵が貼られていた。』
--COMMENT--
原題の“RICEBURNER”とは、上に引用した日本製のオートバイのことを指すそうで私も知りませんでしたが、言われてみれば納得!
シカゴのベトナム料理店“サイゴン・キャフェ”が何者かに爆破され、事件に巻き込まれた警備会社経営者デインが犯人を追いつめるストーリーのなかで、このオートバイが何度か登場します。
他のところでは「・・背後のバス停留所で1台の車が静かに止まり、デインは振り返った。警察の車ではない。シカゴ警察は日本車を使わない。」などと、さりげなく車に触れている。
作者のリチャード・ハイヤーは初めて聞く名前だなと思っていたら、やはりこの本がデビュー作品だそうです。(91/10)
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