ボストン、沈黙の街 | レクサス | MISSION FLATS (C)2003 | 東野さやか訳 早川 2003 |
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読みもらしていたCWA新人賞受賞の作品。デビュー作ながら、著者は6年間検事補の実務経験もあるそうで、警察の内部事情がしっかり書きこまれている。ただ、大卒のおぼっちゃん警察署長が、自分の町を放っておいてボストンの札付きギャングを追うプロットはなんとも不自然。最後の最後で明かされるどんでん返しは、読者を肩透かしすようであまり気分はよくない。
抜き書きの"私"が主人公のベンで自分の車は"ボディが錆びだらけの古いサーブ900"、警察署パトカーのブロンコ、ベンが捜査を助けてもらう引退した刑事ケリーのトヨタ・カローラ、湖に沈んでいた被害者の"くすんだ黄色のホンダ"…が出てくる。ほかに<ギャングが乗ってきた"シツ"とかいう名の日本車>が会話のやりとりにでてきるが想像がつかない? 過去にアメリカで売られた日本車の車名をざっとレビューしてみたものの思い当たるものが皆無。さていつか原書に当たってみるかな(豊島区中央と千代田図書館に所蔵あり)。(2008.9.21 #566)