LINDSEY, DAVID ／ デヴィッド・リンジー

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殺しのＶＴＲ	ジャガー・ヴァンデンプラス	HEAT FROM ANOTHER SUN, (c)1984	扶桑社,1991

『家へ向かって車を運転している間も、ヘイドンは物思いにふけっていた。
　ロイヤルブルーのジャガー・ヴァンデン・プラスの車内は、ガブリエラが後部座席から差しだしたジューシー・フルーツガムのサッカリンの匂いに満たされていた・・・・・
二台のくるまには驚くほどの物が詰め込めた。夜明け前の生気のない灰色の時間、彼らは、セイヨウキズタのからみついた壁に囲まれたマンションの裏口に、女達のアウディと彼のメルセデスをバックでつけ、荷物を積み込み始めた。』
--COMMENT--
デヴィッド・リンジーの作品はこれまで全てテキサス州ヒューストンを舞台に、かなり残虐な殺人事件を扱っている。
　市警察殺人課刑事、スチュアート・ヘイドンの自分の車が上に出て来るヴァンデン・プラスであり随分と変わったクルマを持たせることによって、主人公の屈曲したキャラクターが伝わってくる。リンジーはストーリーの展開の中での車はほとんどヴァンデン・プラス以外にも実車名を書き込んでおりクルマへの執着が窺える。
　元戦争写真家トイと助手の車が、メルセデスとアウディとやはり、プロフェショナルにふさわしいが、こんな調子なのでヒューストンのわりに全く米国車が出てこない。 (91/08)

沈黙のルール	ナビゲーター	The Rules of Silence, (C)2003	鳥見真生訳 柏艪舎 2006

『「…昨晩の偵察によると、あの家には全部で6人いるらしい。ルクウィン、彼のボディガードのロケとドライバー。彼らは黒いナビゲーターを使用している。マシアスと彼のボディガード、ドライバーが使っているのは青のナビゲーターだ。まずはマシアス以下の3人を家から出したい」
「では、パスファインダーに乗っているボディガード二人とドライバーはどうする？」キャローが言った。「マシアスがいなくなれば、連中はルクウィンの命令にすぐ応じられるように、近くに乗り付けて待機するはずだ。とすれば、問題になる箇所は三つになるが、全てをカバーする態勢がない。こちらは一組分劣勢なんだ。』
--COMMENT--
　おなじみヒューストンを舞台に、国際的テロ犯罪者と、脅迫されたIT実業家と彼を支援する元CIAの秘密組織との壮絶な戦い。巨額の資金を強奪する命令に従わないと親しい知人を一人一人殺すという新手のテロなんて、これを真似されたら大変と心配になるほどの奇抜で迫真のシナリオ！、たった4日間で決着してしまうスピーディなストーリー展開はとことん楽しめる。
　引用部分において、厳ついリンカーンSUVのナビゲーターに加えて登場しているパスファインダーは、旧ニッサン・テラノの海外向けSUV。ほかに主人公の実業家のレンジローバー、犯罪グループの偵察カメラマンのホンダなども出てくる。 (2007.12.6 #524)

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