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Henning Mankell /ヘニング・マンケル

タンゴステップヴォルボThe Return of the Dancing Master (C)2002柳沢由実子訳 創元 2008

『彼は助手席に携帯電話を置いて駐車場を出ると、ウーランドに渡る橋に通じる道路を探し始めた。橋を渡ったとき、霧はまだ濃かった。死ぬのはこういうことなのかもしれない、と彼は思った。昔の人は、船頭が迎えに来て、死の川を渡してくれると信じていた。これがきっとそんな橋なのだろう。人は濃い霧の中に橋を渡って突っ込んでいき、それで何もかもが終わるのだ。
 ウーランド島につくと、行きかう車は少なかった。あたりはただ霧だけで、何も見えなかった。…中略…
 そのまま運転を続け、<ラヴェンデール 2キロ>と書いてある標識をほとんど見過ごしそうになった。スウェーデンという国は幹線路から2キロ入ったところに人々が住んでいることが多い。
 その道は車が通ったこともないようなでこぼこの土の道だった。まっすぐで、道の先は霧の中に消えていた。そのまま行ってみると道は行き止まりで、柵に囲まれた敷地があり、ゲートは閉まっていた。そこに古いボルボの444型とオートバイがあった。ステファンはエンジンを切ると車を降りた。オートバイはハーレー・ダビットソンだった。』
-- COMMENT--
 版元曰く"北欧ミステリの真髄"というスウェーデン作家の警察サスペンス・ノンシリーズ。主人公の警察官ステファン・リンドマンが昔の上司の殺害事件に個人として関心をもち地元警察の捜査に協力していくことになる。まさにスウェーデンらしさを感じさせる初冬の静謐な風景描写、なじみのない(憶えにくい)地名・人名から醸し出される異邦感…そう上質なミステリとはこういうものか!と感じさせる作品でした。作者が芝居の脚本家だったせいか、主人公の病気、恋人との微妙な関係、父親の政治的志向など、盛り込みすぎの面があったが。
 引用は被害者の知人に聞き込みにいく場面。主人公ステファンが自分の車で移動するシーンが多くあるが、車種は明らかにはされていない。被害者の古いボルボ、地元警察官の"トヨタのワゴン車"、ブエノスアイレスから来た男が借りた"赤いトヨタ車"、盗難車の"ダークブルーのゴルフ"、検問を突破した"赤いフォード・エスコート"など。(2008.12.25 #575)

笑う男プジョーThe Man Who Smiled (C)2005柳沢由実子訳 創元 2005

『爆発で混乱している間に、一瞬、重苦しい静寂がおとずれた。アスファルトの上に落ちた自動車電話を見、道路わきで愛車のプジョーが炎上するのを見つめていたまさにその時、ヴァランダーの頭は冴え、明晰に考えていた。それははっきりした、なんの迷いもない洞察だった。すべてがぴったりと合った。
 二人の弁護士殺害事件に始まり、次におきたドクネール夫人の裏庭の地雷爆発事件、そして今回の自分を狙った自動車爆破事件にはっきり関連があるということだ―たとえまだ不明瞭なことや閉ざされた扉が多く残っているとしても。
 だが、混乱の中でも、一つの結論が出た。それはヴァランダーが知ってはならないことを知ってしまったと、何者かが思っているということだった。車に爆破装置を仕掛けた者の狙いがアン=ブリット・フーグルンドでないことは明白だった。それはまた、まだ正体のわからない彼等の別の面を物語っている。すなわち、彼らは関係のない人間をも平然と巻き添えにして殺すということだ。』
-- COMMENT--
『タンゴステップ』が気に入ったので、いよいよシリーズ作品のイースタ警察署クルト・ヴァランダー警部ものへ。シリーズ8作目(邦訳4作目)は、知人の弁護士親子が殺害され、一度は警察官を退職しようとした主人公が得体の知れないグローバル企業の秘密に迫る。物語の半分ぐらいまではまったく犯人像が浮かび上がらず、また、中盤以降もなかなか突破口が明らかにされずヤキモキさせられ通しだが、捜査チームの緊張感とか、終盤に向け一挙に高まるアクションなどばっちり楽しめる。
 書き抜きは、プジョーの爆破から、きわどく難を逃れたシーン…全く危険が迫ってはいなかったのでちょっと都合よすぎる感もある。父親の弁護士が昔、乗車中(ダークブルーのオペル)に野うさぎを轢いたことが語られるが、主人公も後段で野うさぎを轢いてしまい二度も書かれるとは!…スウェーデンってよほど野ウサギが多いのかしら? 城主の黒のBMW、警部の車を付ける白のアウディ、ナンバープレートが盗まれたニッサン、捜査チーム刑事のアウディ、馬の調教師の"おんぼろボルボ・デュエット"などが登場する。(2009.1.10 #577)

目くらましの道ボルボ・アマゾンThe Pyramid (C)1995柳沢由実子訳 創元 2007

『「これで警察本庁が乗り出してくることになりますね。もちろん、それでいいのでしょうが…」
「いや、いちばんいいのはわれわれがあいつを早く捕まえることだ」ヴァランダーは言った。
「おれは今すぐ出かける。あとで連絡する」
 ニーベリが古いボルボのアマゾンをマリアガータンに乗り入れたとき、ヴァランダーはすでに外に立っていた。ニーベリの車に乗り込み、イースタの街を出た。朝の景色が美しかった。ニーベリはスピードを出した。
 スツールップまできて、ルンド方面に曲がった。ルンドからまた自動車道路に入りヘルシングボリへ向かう。ヴァランダーは聞いているだけの情報をニーべりに伝えた。ルンドを過ぎたときハンソンがヴァランダーの携帯に電話してきた。その声が息切れしていた。ハンソンはおれよりずっとこれを恐れていたのだ、とヴァランダーは思った。
「また起きたとはな。なんとも恐ろしいことだ。これでまたすべてが変ってしまう」
「いや、今のところは何も変っていない」とヴァランダーが言った。「全ては何が起きたかを見てからのことだ」』
-- COMMENT --
 イースタ警察署クルト・ヴァランダー警部シリーズ9作目(CWA賞受賞)は、頭皮の髪が剥ぎ取られる異様な殺人事件がたてつづけに起きヴァランダーは犯人像の絞込みに躍起となるが… 本作もスウェーデン・スコーネ地方の描写や意外なプロットがたっぷりとおりこまれていて兎にかく上質な警察小説として楽しめる。
 抜き書きは4番目の被害者がでたヘルシングボリに向かうシーン。ヴァランダーが自分の車の車検の予約をするが、連続する事件に追われてなかなか検査に持ち込めない。他に、外国からの少女売買犯の黒ガラスのメルセデス・ベンツ、三番目の被害者の67年型フォード、高級コールガールのニッサン・コンバーチブルなどが登場する。(2009.1.20 #578)

白い雌ライオンアウディThe White Lioness (C)1993柳沢由実子訳 創元 2004

『二人の男がマバシャをあいだにはさんで引きずるように歩いていくのが見えた。その一人はリコフだった。ヴァランダーは後先も考えず、寝室の窓を叩き割って、空に向かってピストルの引き金を引いた。リコフはマバシャを引きずっていた手を離すと振り返った。リコフの撃った自動小銃の銃弾が窓を破って飛んできた。ガラスの破片で顔を切った。外で人の叫び声がし、車が発進する音がした。
 窓に飛びついて下を見ると、黒いアウディが走り去った。ヴァランダーは通りに飛び出し、もどかしげに車のドアを開けると、焦るあまり車のライターの穴に鍵を差し込んだりした後、やっと発車させてアウディのあとを追った。…中略
 車はイースタの町を猛スピードで走り抜けた。ヴァランダーは少し距離をおいて追いかけた。これは悪夢だと自分に言い聞かせた。自分は危険な犯罪者を捕まえるにあたっての規則を全て破っているはずだ。ブレーキを踏んで引き返そうかと思った。だが、思い直し、再び猛スピードで追いかけた。
 突然、前を走っていたアウディのバックライトがゆれ始め、二つの車の距離が縮まった。アウディがパンクしたのだ。』
-- COMMENT --
 イースタ警察署クルト・ヴァランダー警部シリーズ3作目は、南アでのアパルトヘイト問題にかかわる要人狙撃計画というウェーデンの田舎では思いもしない事件が飛び火して起こり、秘密に近づいたヴァンダラーが犯人側に執拗に狙われる。著者が南アに滞在していたこともあって、アフリカーンスの伝統や文化を織りこんだ見事なストーリーがなんと文庫700ページにわたって展開される。ただ、タイトルともなっている<白い雌ライオン>が何を象徴しようとしているのか最後まで読み解けませんでした!! 
 引用は、ようやく中盤になってヴァランダーと犯人側が始めて接触する部分。冒頭に殺害された女性不動産業者の"1990年型ダークブルーのトヨタ・カローラ"、南アからの狙撃犯が使うBMWとメルセデス・ベンツ、ヴァランダーの昔からの友人の"古いボルボ・デュエット"など… 運転中に野生動物と衝突するシーンが他作品でも何度かでてくるのだが、本作ではなんと雄ヘラジカとヒット・ニアミスをする。(2009.2.21 #582)

殺人者の顔シトロエンFaceless Killers (C)1991柳沢由実子訳 創元 2001

『ヴァランダーは陸軍の地図を取り出した。ハーゲホルム近辺の詳細な地図だった。彼が殺人現場に×印をつけると、イラン人通訳はすぐに銃声を二発立て続けに聞いたときにいた場所を指差した。その距離はおよそ300メートルとヴァランダーは見等をつけた。
「銃声のあと、車の音がした」とイラン人通訳は言った。
「車を見たわけではないんだね?」
「ええ、森の中にいましたから、そこから道路は見えません」
通訳はまた地図で場所を指差した。現場の南だ。
しかし次に彼が言ったことは、クルト・ヴァランダーを心底驚かせた。
「シトロエンでした」
「シトロエン?」
「スウェーデンではパッダ(ガマガエル)と呼ばれているタイプです」
「見てもいないのに、なぜそんなに自信を持って言えるんです?」
「わたしはテヘランの町なか育ちで、子どものとき、エンジンの音から車のタイプを聞き分ける遊びをしていました。シトロエンは簡単なんです。とくにパッダは」
にわかには信じられなかったが、ヴァランダーはすぐに決断した。
「中庭に出てくれ。外に出たら、背中をむけて目を閉じるんだ」雨の中で、彼は自分のプジョーを発車させて中庭をぐるりとまわった。その間づっとイラン人が背中を向けていることを目で確かめた。
「さて、いまの車は?」
「プジョーです」イラン人通訳は迷わず答えた。
「なるほど、いいね」ヴァランダーはうれしくなって言った。「これはいい」』
-- COMMENT --
 イースタ警察署クルト・ヴァランダー警部シリーズ第1作は、小さな村の老人が殺害され、その妻も一言だけ言い残して亡くなる事件を追う。その頃、スウェーデンで社会問題となっていた外国人移民排斥運動が底流として描かれている。解明に到りそうな糸口がほとんどないなく、もう迷宮入りではないかと思われるようななか、ヴァンダラーがちょっとした場面で直感を働かせることが事件を動かす。第一作から感動ものの見事なストーリーだった。
 引用は、第二の事件の目撃者との会話シーン。彼の車は"青いプジョー"だが、車検に出したら廃車寸前であることが分かり物語の後段でニッサンに乗り換えたと記されている。以降の作品では、またプジョーに戻っており、やっぱりプジョーの方が似合うと考えたのであろう。運転中に野うさぎを轢く場面もちゃんとあり、この第一作から続いていたことが分かる。他には、容疑者の一人の"赤のメルセデス"、"白のニッサン"などが登場する。(2009.3.2 #583)

リガの犬たちラーダThe Dogs of Riga (C)1992柳沢由実子訳 創元 2003

『このままリガまで歩いていくのは、とうてい無理だと思った。膝は痛み、疲れでめまいがした。一つしか方法はなかった。車を盗むのだ。恐ろしいがそれしか生き延びる方法はなかった。いま通り過ぎたばかりのところに、ラーダが一台停まっていた。近くに住宅はなく、不思議なことに車はポツンと一台だけ放置されていた。彼は引き返した。歩きながら、スウェーデンの自動車泥棒がどうやって施錠されている車のドアをこじ開け、エンジンをかけるのか、思い出そうとした。ロシア製の車のことなど何も知らない。…中略…
 車の窓ガラスに隙間を開けて針金を入れ、ドアロックのボタンを引っ張り上げるのは、思ったよりも簡単だった。いそいで車に乗り込み、エンジンの発火装置とケーブル線を探した。マッチをもっていないことが悔やまれた。最初は焦りで汗がシャツの下を流れたが、まもなく彼は寒さに震えだした。しまいにイグニッションの後ろにぶら下がっていたケーブルを苛立って引っ張りぬいた。ロックを外し、バラバラになった電線の先をイグニッションに直接接触させた。
 ギアが入っていたために、車は急発進した。ギアをニュートラルに入れて、再び電線の先を接触させた。エンジンがスタートした。
 これは悪夢だ、と彼は思った。おれはスウェーデンの警察官だ。ドイツのパスポートを持ち、ラトヴィアの首都リガで車を盗むのはよほど頭がおかしいのだろう。』
-- COMMENT --
 イースタ警察署クルト・ヴァランダー警部シリーズ第2作は、外国人らしい二人の男の遺体を載せたゴムボートが漂着したことから始まる。捜査のため派遣されてきたラトヴィアの警察官が帰国してすぐ殺されたことから、ヴァンダラーが事件に巻き込まれていく。舞台のほとんどはラトヴィアとなること、大活劇やら、嫌疑のかかる大佐二人の逆転など、マンケル作品には珍しいサスペンション&アクションの(若干大味)なストーリーであった。
 引用は、ヴァンダラーが襲撃からのがれ逃走車を調達するシーン。他に、ヴァランダーのプジョー(車に乗ると必ずカセットでオペラをかける)、ゴムボートを最初に見つけた密輸船の船長のボルボ、ラトヴィア警察の大佐のヴォルガ、リガの秘密組織が用意する白いモスクヴィッチなど。(2009.3.7 #584)

五番目の女ボルボ PV444The Fifth Woman (C)1996柳沢由実子訳 創元 2010

『「ひどいことが起きましたね」とエッバは、まるでヴァランダーが個人的にひどい目に遭ったかのように同情的な口調で言った。「昔、彼から車を買ったことがあるわ。ボルボのPV444
ホルゲ・エリクソンのことを言っているのだとわかるのに数分かかった。
「きみは運転できるのか?」ヴァランダーは驚いて聞いた。「免許証をもっていることさえ知らなかったよ」
「事故なしで39年運転していますよ。PVはいまでも家にあるわ」
 そういえば警察の駐車場に手入れの行き届いた黒のPVが駐車されているのを何度か見かけたことがあると思った。だれの車かは考えたこともなかったが。
「安く買えた?」
「ホルゲ・エリクソンにとってはいい商売だったと思うわ。私は払いすぎたみたい。でも、買ってからずっととても大事に使ってきたから、けっきょく得をしたのはわたしってことよ。だってPVはいまやベテラン・カーと呼ばれているんですからね」』
-- COMMENT --
 イースタ警察署クルト・ヴァランダー警部シリーズ5作目は、花屋の主人の失踪に続き、自動車販売で財をなした老人の残虐な殺害…と奇妙な事件がたて続けに起き必死の捜査が展開される。上下巻800ページもの大作で、下巻の結末直前にようやく犯人らしい心証がえられるまでは、五里霧中ともいえる執拗な捜査が余儀なくされる。普通のミステリの3倍ぐらいになるんじゃないの?!と中身の濃さには辟易としながらも、飽きさせずに物語に集中させていく構成力は大したもの。
 引用は親しいイースタ警察署の受付さんとの会話の部分。PV444/544は、1946年から20年間ほど生産されたボルボ乗用車の礎になった車で、このゆかしい受付老嬢にぴったり。ヴァランダーのプジョーは出先で故障してしまい新しい車に換えなければとぼやくシーンが何回も出てくる。ほかに元自動車販売業者のガレージに残されていたハーレーと昔使っていたダークブルーのシヴォレー、花屋の1993年型オペル、容疑者の赤いゴルフなど。(2010.10.10 #657)

背後の足音プジョーSteget Efter (C)1997柳沢由実子訳 創元 2011

『1996年8月7日、クルト・ヴァランダーはイースタの東側で危うく自動車事故で死ぬところだった。
 まだ早朝の6時過ぎ、ウスターレーンに向かってニーブロストランドを通り過ぎたとき、突然愛車のプジョーの前に巨大な長距離トラックが現れた。トラックの警笛の響と彼が急ハンドルを切ったのが同時だった。
 路肩に車を停めたとたん、恐怖に襲われた。心臓が早鐘のように鳴り、吐き気とめまいがして気を失いそうになった。両手はハンドルをきつく握り締めたままだった。
 やっと落ち着いたころ、なにが起きたのかのかを理解した。居眠り運転をしたのだ。目を閉じた一瞬の間に、車を対向車線に乗り入れてしまったのだろう。
 あと一秒遅かったら、巨大な長距離トラックに押しつぶされて死んでいたに違いない。そうわかったとたん、頭が空っぽになった。それから数年前にティングスリードの路上で巨大なヘラジカにぶつかりそうになったときのことを思い出した。
 しかしあれは霧が立ち込めた夜のこと。今回の居眠り運転とはわけがちがう。疲労。』
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 イースタ警察署クルト・ヴァランダー警部シリーズ6作目(全10作未訳2)は、3人の若者の行方不明の届出に続き同僚スヴェードベリーが殺害され、さらに若者たちと仲間の女性一人、結婚式をあげたばかりの二人とカメラマンが銃殺される事件が立て続けに起き、見通しの立たない捜査にヴァランダーは追いつめられる。上下で460ページにもなる大作にもかかわらず、次から次に思いもしない局面が展開しはらはらドキドキ(@_@)…うーんこのシリーズの中でも円熟の極みというか文句なしの面白さ。福祉国家スウェーデン社会の抱える病理を深くえぐる作品になっている。
 引用は第一章の冒頭センテンス。出だしから疲れすぎのヴァランダー登場と先行きが危ぶまれるが、案の定、当人は糖尿病と診断され、もうへろへろになりながらも必死に捜査班を指揮するのが痛ましい。若者たちのトヨタとヴォルボ、スヴェードベリのアウディ、被疑者の一人のマツダ、警察署受付エッバのヴォルボなどが登場する。
 巻末の小山正さんの解説にもあったが、スティーグ・ラーソン『ミレニアム』で北欧ミステリにはまった読者にも本シリーズはお勧め。(2011.11.12 #717)


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