PRICE, ANTHONY ／アントニィ・プライス

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死の眠る森	ファット・アルバート	SION CROSSING, (c)1984	芙桑社,1991

『車が２台ある、昨日のボルボと、もっとスリムで滑らかなデザインをやや膨らませすぎて、角張ったヨーロピアン・デザインを変形させ、ほとんど球根状の輪郭にしたような奇妙な車がある。
　キングストンがあいも変わらぬニヤニヤ笑いを見せて、その奇妙な車の屋根をぴしゃりと叩いた。
「いいかい、オリヴァー？」
　何か答えなければならなかった。キングストンが彼に話しかけるときには常に何か反応を要求していた。
「これがファット・アルバートかね？」
「この車がミセズ・ブースの移動手段だ。スミスヴィルへ行くときにはいつもファット・アルバートを使う。教授の方はボルボでコロンビアへ行く。スミスヴィルでは、ファット・アルバートの方がよく知られている、だから我々はここではファット・アルバートに乗る、いいな？」』
--COMMENT--
アントニィ・プライスお得意のイギリス国防省諜報部員を主役とする、まことに凝ったつくりのスパイストーリー。 　米国ジョージア州アトランタのそばのサイアン・クロッシング（タイトルの地名）というところで南北戦争時代の秘話をたどる筋立てになっており、そう、はなしの８割がたまで、サスペンスの行方が見えないというとても忍耐を強いられるストーリーです。
　サイアン・クロッシングで上に引用したファット・アルバートという車が登場する訳ですが、不勉強ながら私は知らない車なので今度調べよう．昔、ファッツ・アルバートとかファッツ・ドミノなんてジャズメンがいたっけな・・・・(91/12)

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