RIDPATH, MICHAEL ／マイケル・リドパス

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ヴァーチャル・ゲーム	ＢＭＷ	TRADING REALITY, (c)1996	ＮＨＫ,

『レイチェルが微笑んだ。「もちろん、そうさせてもらうわ。さあ、いきましょう」
　わたしたちはＢＭＷに乗り込み、工場の駐車場を出た。車が南からグレンロセスにはいってこられないようにしている小さなロータリーをいくつかとおって、東のカークヘイヴンにむかう道路に出る。　ミラーをのぞきこんで、うしろの車をチェックした。この２週間で身についた習慣だった。男をふたり乗せた白いアストラの小型ヴァンがいた。マークインチを通過したときには後方にさがっていたが、レヴェンの大きなウィスキーの蒸留所のそばを通るころには、またすぐ後ろにきていた。
「どうやらつけられているようだ」と、わたしは言った。
　レイチェルが振り返った。「どれがそう？　うしろには車がいっぱいいて、わからないわ」「白いアストラの小型ヴァンだ。グレンロセスからずっとついてきている」
「じゃあ、スピードを落としてみて、相手がどうするか見てみましょう」
　わたしは時速３０マイルまで落とした。つぎつぎとほかの車は追い抜いていったが、小型ヴァンはそうしなかった。ずっと、うしろのほうにひそんでいた。』
--COMMENT--
イギリスのヨークシャーそだちの新人作家２作目で、ヴァーチャル・リアリティのプラットフォームを開発するソフト会社の乗っ取りに立ち向かう若い経営者を描く企業ミステリー。荒削りだが、VRをうまくストーリーにとりこんでおり、新鮮なタッチだ。作者も主人公も、債券トレーダーなので、やはり車はBMWで決まり！なのでしょう。

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