SCHULMAN, AUDREY ／オードリー・シュールマン

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氷の檻	ツンドラ・キャンピング・カー	THE CAGE 　 　(c)1984	奥村彰子訳　早川書房　1995

『バトラーはドアの前に立って閉まらないように押さえながら、ほかのメンバーを見て笑った。
「言っておくが、おれたちはけっして不自由な生活を強いられるわけじゃないんだ。ビデオデッキも電子レンジもステレオもある。中はけっこう広いし、ツンドラ・キャンピング・カーってところだな。なかなかいいネーミングだと思わないか、ツンドラ・キャンピング・カーっていうのは？　もちろん、発電機もある−大きさはV8エンジンほどだが、性能はその倍だ。きっと快適な毎日をおくれるはずだよ」
四人は、四百平方フィートの車の中で三週間過ごさなければならないのだ。ただし、週末は三時間車を走らせてチャーチルへ戻るので、そのあいだだけは互いから開放される。予定より早く湾に氷が張ってクマが海を渡りはじめた場合は、その時点でプロジェクトは終了することになっていた。』
--COMMENT--
　図書館で見つけたカナダの女性作家の処女作品だが、最近、北極ものにこっていることもあってか、極限状況でのサバイバル冒険小説だったのでとても気に入りました。「ナチュラル・フォトグラフィー」の北極グマ撮影隊が使うカメラカーがこの特注車で、順調と思われたプロジェクトが意外な危機におそわれる。参加する女性写真家の目をとおして語られる極地の大自然が素晴らしい。(1998/05)

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