夏時間反対の主張

こんなに多いサマータイム反対の声(要旨)

ここでは、夏時間に関して掲載されたメディア上の論調を紹介しています。ご覧になってわかるように、ほとんどが反対か、または危惧を抱いているものがほとんどです。
トップページに紹介させていただいた神戸の橋岡さんのサマータイム導入反対のリンク集には、天文ファンや、酪農関係の方々の反対意見ページが丹念に収集されていますのでご覧ください。新たに追録したものを上に紹介しています。
Updated 1999.7.10
出所論点要旨
朝日新聞(声)
99.7.9 朝刊
若林成之
『リズム狂わす夏時間に反対』・・7/4付声欄「夏時間導入で趣味楽しめる」への反論
・戦後実施されたサマータイム制を体験した立場で、体調不全、体内時計が狂うこと、睡眠不足を招くことなどにより高温多湿の日本には向かない
・一日が24時間であることに変わりなく、仕事が終わって趣味をやるのもいいが、一時間早く就寝するなどしないと必要な睡眠時間が確保されない。
朝日新聞(日曜版 地球物語)
99.5.30
武田靖
『理解できない夏時間』
・1981年から夏時間が導入されたスイスに住んでいるが未だに何のメリットがあるのか理解できない
・歳をとって時差の調整が大変であることに気付いた。夏時間はか一時間だと言うが、その一時間でもばかにできない。家畜の時差調整にも一週間もかかるそうだ。
毎日新聞
99.5.26
余録
・サマータイム導入に難航した経験をもつ米国の論調紹介:ニューヨークタイムズ1916年5月8日社説「まだ陽光もささないのに、あなたは時計が起きろといったから、起きるのか。世の中を動かすのは時刻なのか。それとも太陽なのか」と皮肉り「われわれは時計の奴隷なのか」と問いかけている
・サマータイムを左右するのは、地球環境よりも政治環境なのだろう
読売新聞
99.5.21
大手町博士のゼミナール
『サマータイム論議活発化/目標は“地球に優しく”』
サマータイムは、時間という子供から大人まですべての人に関するテーマ。だから、皆が様々な意見をもっている。賛否両論あるだろうが、家庭や職場での話し合いが必要
毎日新聞
99.5.15
『閣僚も悩むサマータイム導入』
・政府首脳は、「地球環境と夏時間を考える国民会議」の報告に対して、「手放しでは喜べない。政府として2001年度実施を目指しているわけではない」と否定的な立場を明らかに
・「地球温暖化防止の選択肢の一つではあるが、世論はまだ賛否両論までもいっていない」
・「マイナス面が議論されていない」
朝日新聞 窓
99.5.11
論説委員室
『夏時間反対』
・3月22日付社説への反響のほとんどが、夏時間反対に賛同するもの
・夏時間に移行するときの人間の生体リズムへの悪影響を及ぼす点、高温多湿の日本の夏の気候風土にあわない点などの指摘が多い
・法案の今国会提出をもくろむ参議院サマータイム制度研究議員連盟が小委員会を設置したが、法案づくりを急ぐ前に、こうした反対論に耳を傾けるべき
諸雑誌記事
99.4.13
大宅壮一文庫ホームページ
同文庫所蔵雑誌の「サマータイム」検索紹介が掲載されていて、1994年以降で34件を数える。初めの頃の記事はニュートラルな報道だったが、1995年以降は全てがサマータイム反対か危惧するトーンのものばかり。(この"検索紹介"はしばらくすると更新されてしまうようです)
読売新聞 寄稿
99.4.7夕刊
安岡章太郎
『夏時間は日本で役立つか・時間の変更、欧米ほど慣れていない』
・夏時間を長年にわたって実施しているスペインなどは、夏の真昼の暑さが厳しくて昼寝の時間が必要不可欠となっており、それに応ずる夏時間が習慣化した。実施の経緯がまったく違う。
・夏時間が地球の温暖化を減ずるのに、どれだけ役立つかは疑問。夏時間になって、5時の退社時間が4時になったところで、暑さは変わらない。かえって西日はガンガンあたって帰路につく車などは一斉にクーラーを効かせなければならない
・北米の国内の時差や、ヨーロッパ諸国の時差などを身近に経験していない日本人は、時間の変更には慣れていない
毎日新聞 オピニオンワイド
99.3.27
『夏時間導入は国民の声をよくきいて』
「まず夏時間ありき」という姿勢はとらずに、十分時間をかけて広く国民の声に耳を傾けてほしい
毎日新聞 社説
99.3.16
『まずは論議の盛り上げを』
意識改革を通して、地球環境にやさしいライフスタイルを求めるにしても、エネルギー多消費型の生活・都市構造の中で、その余地がどれほどあるのか。長距離通勤、しかも近所に公園やスポーツ施設などが整備されていなければ、アフター5をいかした野外活動の活発化も絵に描いたもち。
時刻のあり方は、国民の生活に直接大きな影響を与える。優先すべきは、より明確なコンセンサス作りだろう。メリット・デメリットを、もっと具体的な生活実体に結びつけて論議すべきだ。いあたずに導入の結論だけを急ぐという姿勢では、せっかくの趣旨も十分生かせない。
新潮45
99.03
福田和也
『亡国の浅知恵サマータイム 世にも恐ろしき巷談』
こういう浅知恵で、時間という人間にとって本質的な感覚、共通感覚をいじるのはやめてほしい。明治政府が、太陰歴から太陽暦に変えたときに、どれだけ多くの農民が怒り、憤怒し、立ち上がったかお忘れか? 農民たちが怒ったのは、太陽暦が農作業に不便だったからではない。長年つちかってきた季節感覚、時間感覚を狂わされてしまうことに怒り狂った。
時間感覚という人間が生きる上で大事な指標を、薄っぺらな合理主義でおもちゃにしてよいはずがない。浅知恵の思いつきを弄ぶ才子が、ますます国を滅ぼしていくのだ。
毎日新聞 読者の声欄
99.4.18
『サマータイム導入はやめて』
日本の夏の夜は寝苦しく、冷房をきかせて早く眠れというのか。
毎日新聞
99.4.17
『サマータイムで何が変わる?』
サマータイムをめぐる論点として、(1)省エネ効果は? (2)生活に変化は? (3)導入コストは?について賛否両論を紹介。まとめとしては、総理府の世論調査で、サマータイムを知っていると答えた人が46%と半数未満で80年当時の64%から減少、はっきりとした理由もなく"なんとなく賛成"が多いことから、さらに議論が必要としている。無難な結論で、今一歩のつっこみが欲しい!
NHK BS1
99.4.17
21:45-23:00
BS討論『サマータイム導入は必要か』
賛成派の中上英俊(住環境計画研究所)、丁野朗(余暇開発センター)、ゲブハルト・ヒルシャー(南ドイツ新聞)と反対・危惧派の河内山大作(連合)、吉岡初子(主婦連)、森本雅樹(鹿児島大学)各氏が、(1)本当に省エネになるか? (2)ライフスタイルは変わるか? (3)個人生活への影響 (4)日本の風土・地理になじむか (5)労働時間への影響 (6)合意形成について"徹底"討論するという主旨。司会は石弘之(東京大学)
テレビ討論はまとめにくいのですが、敢えて要約すると以下
賛成主張:京都会議議定書の「2008年〜2012年に温室効果ガス排出量を1990年レベルから6%削減」達成は大変なことであり、一つ一つの対策効果が少なくとも実施可能な施策(=サマータイム)はなんとしでも実行すべき。 反対・危惧主張:サマータイム以外にもやるべきことがあるはず、国民の合意形成が十分でないのに、導入を決めてしまうのは早計。
賛成派からすれば、先進世界各国でもやっていて簡単なサマータイムに何故そんなに議論したり合意形成が必要なのか、やはり省エネのためには多少個人が犠牲になっても政府が決めたことを国民は従えばよい、といったトーンがはっきりとでていました。反対論調は、省エネ推進自体に異議を唱えているわけではなく、サマータイムが現在とりえる必要十分で、かつベストであるかという議論がなされていない、というまっとうな感覚だと思います。
新鮮だったのは、時計・タイマーの修正がしにくい高齢者家庭をどうするのかとか、朝暗いうちに登校しなければならなくなる児童とか、通勤時間のかかるサラリーマン世帯で、さらに早朝起床を余儀なくされる主婦とか、言ってみれば弱者のことが全然考慮されていないという意見。いずれにせよ、これまでの"エネルギー多消費型の便利さ・快適さ"から脱却し、"地球環境をも考慮した真の個人生活の充実・豊かさ"をいかに確保するかの修正が求められているわけで、サマータイム導入すれば事足りるとは思えないですよね。
読売新聞
99.4.15
サッポロビール調査『サマータイム賛成5割』
サッポロビールのホームページを通して実施したアンケートでは、賛成52.6% 反対9.5% 「どちらとも言えない」37.9%(回答数13,700名) 賛成する理由の上位は「退社後の余暇時間が増える」「趣味や自己啓発に当てる時間が増える」「省エネに貢献」。

"余暇時間が増える""自己啓発時間が増える"という賛成理由の多さには驚きです。時間そのものが増えるわけはないし、一定の睡眠時間を確保するために、朝一時間早起きすれば一時間早く就寝しなければなりません。こんな誤解をしている人が5割以上いるということでしょうね。こんなアンケート結果を興味本位でプレスリリースするサッポロビール広報も無責任ですね。読売の記者さんも、こんな点を突く記事に仕立ててほしかったですね。政府の世論調査も、まったく同じ"回答者の半数が、サマータイムそのもを理解していない人々"によるものと言えます。

読売新聞
99.4.7
「あなたは賛成?反対?」
  • 睡眠のリズムを一時間早く起きるように変えるには一週間以上かかる。とくに朝寝坊の人にはつらい
  • 東京新聞「言いたい放談」
    梶原しげる
    99.4.6
  • ラジオ番組で賛否をとったら、反対が75%だった
  • 春がきて、ようやくお日様を感じながら目覚められる季節になったとたん、4月から、もう一時間早く起きよは酷だ。ゆとりどころじゃない
  • まだ太陽がまぶしい時間に仕事を終えても、暑さが収まってから帰ろうかと残業も増える。
  • むしろ、冬に時計を一時間遅らせる「ウィンタータイム制」のほうが、ゆとりをもてる
  • 朝日新聞「天声人語」
    99.3.28
  • 推進派がかかげるのも、フランクリン以来の「健康増進」と「エネルギー節約」のようだ。しかし、どうも説得力を欠く。なにより日本の地理的条件を無視、あるいは軽視した論だからだろう。 日本の緯度は北アフリカとほぼ同じで、夏は蒸し暑いモンスーン気候で熱帯夜が続き、朝一時間早く出勤しても、汗だくになるのは一緒。『枕草紙』の自然な時間がわれわれには似合っている。
  • 朝日新聞「社説」
    99.3.22
    「導入に反対する」
  • 省エネやゆとりある暮らしがもたらされるとは思えない。導入効果の原油換算50万キロリットルは、国内エネルギー消費のわずか0.1%にすぎない
  • 一日は二十四時間しかなく、余暇に時間を使えば、かわりに何かを削らなければならない
  • サマータイムは、緯度が高く、冬の間太陽に恵まれない欧州で日光活用法として始まったのであり、蒸し暑い日本の夕方は早く日没になったほうがまし
  • サマータイム実施の手間とコストは膨大であり、低く見積もりすぎ
  • 暮らしに密接にかかわる制度は、風土と伝統にマッチしたものでなければ定着しない
  • ゆとりある暮らしのためには、残業を減らすとか通勤時間を短縮させるとか本質的な対策が必要なのに、欧米でやっているからと安易に真似をしてすまそうとする貧しい構想力の見本
  • 日経新聞「春秋」
    99.3.22
  • 根室市と鹿児島市の間には日没時間で一時間の開きがあり、サマータイムになると鹿児島では、午後八時になっても明るさが残っていることになる。ついつい遅寝になってしまい省エネ効果は期待できないという意見がある。全国を一律にひっくるめて物事をすすめるには問題があるのでは。
  • 朝日新聞記事
    99.3.19
    「国民会議が報告書案/労働時間増の懸念も」 
  • サマータイム論議では、導入によって労働時間が増える・切り替えのためのコンピューターなどコスト負担が大変・二酸化炭素の削減効果が、実施期間を年間半年と長く想定してもごくわずかにしかすぎないなどの問題点も指摘されている
  • 朝日新聞投稿
    大和禎人
    99.3.19
    「サマータイムになぜこだわる」
  • 南北に長い列島という地理的な条件のわが国で夏時間を導入すれば、生活上の大きな混乱をおこす。戦後間もなく実施したときでさえ、国民の疲労困憊を招いた事実を忘れてはならない
  • 朝日新聞「論壇」
    宮本順伯
    99.3.11

    お詫び:当初の掲載日に間違いがあることを宮本様からご指摘いただき訂正致しました。2002.7.25

    「サマータイムは迷惑千万」
  • 欧米と異なり、日本の夏は蒸し暑く、早く帰宅したとしても冷房を入れてくつろぐことが多く、結局はエネルギー消費は減らない
  • 個人生活面で電化・システム化が進んでおり、時計だけなく、テレビ・ビデオ・オーディオ、電話・携帯電話・ファックス、炊飯器、エアコン、洗濯機、各種タイマー、ワープロ・パソコン、カメラ、車載機器など、身の回りの数多くの機器の時刻を年2回変更が必要。この煩雑さを国民は納得しない。
  • 企業にとっても、コンピュータや関連機器のプログラム経費は膨大なものとなり、交通機関も複雑な時刻調整を強いられる。全国で16万台を超える交通信号機の制御プログラムや内蔵カレンダーを書き換えるだけでも500億円もかかると言われている
  • 私たちの体は、24時間の体内時計が内蔵され生命のリズムを刻んでおり、急に時刻を一時間進めても体が順応せず、慢性的な疲労と体力の消耗を引き起こす。
  • 省エネのため夏は早く仕事を始めるべきだとするなら、まず官庁が手本を示せ。民間企業は、それぞれが決めればよく、そのほうが朝の通勤ピークを分散できる
  • 大気汚染を減らし、エネルギーの浪費を抑えていくには、エネルギー消費の源をきめ細かに見直し、炭素税(環境税)の導入、環境に配慮した製品への優遇税制など、すべきことはいくらでもある
  • 朝日新聞鹿児島版
    99.2.1
  • 「南の鹿児島から反対論議、『サマータイムは東京の論理』」記事未入手
  • 週間金曜日「風速計」
    本多勝一
    98.7.10
    本文
    「夏時間に反対」
  • 日本列島は南北に長く、緯度にすると22度もの差があるが、ドイツなら約7度、フランスが約8度、スペイン約7度だ。夏の明るい時間がヨーロッパ諸国では一国まるごと同じなのに、日本では大差があり、北海道では夏の夜が短いのに沖縄では長い。
  • 緯度の高いヨーロッパでは夏の夜が長くなり、夏時間をやっても有効かもしれないが、かなり南に位置する日本では意味が薄い
  • 日本列島はまた、東西にも幅があり経度で約22度も差がある。北海道なら午前4時ごろ明るくなるのに、沖縄ではまだ真夜中。一律に時間を進めたら生活に支障をきたす。
  • 電力節減を叫ぶなら、時刻をそのままにして、官庁や会社が各地方ごとに始業時間を繰り上げればよい。国民を強制するファシズム方式はやめよう。
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